一時は億越えも!チベタンマスティフの今に迫る

一時は億越えも!チベタンマスティフの今に迫る

2010年ごろ最高の景気に沸いていた中国で、大人気になっていた犬種「チベタンマスティフ」は、当時その価格は高騰して一時1億円を越える事も。そこで今回は、そんなチベタンマスティフとはどんな犬種で、現在はどんな状況になっているのかなどについて迫ってみたいと思います。


チベタンマスティフとは

そこまで人気を博したこのチベタンマスティフとは一体どこで生まれ、どういう特徴を持っているのでしょうか。まずはその歴史と気になる生態について触れていきましょう。

チベタンマスティフの歴史

チベタンマスティフは、その名が示すとおりチベットが原産。
フルから地元遊牧民族の家畜を守る番犬として飼育され、現在世界中の広がる多くの大型犬の祖先の1つといわれています。
歴史にその名前が登場するのは、中国の元の始め13世紀の終わり頃の事。
中国を統一し、ヨーロッパまでその勢力を伸ばしていた大帝国、「モンゴル帝国」の始祖として有名な「チンギス・ハーン」は、この犬種を3万匹集めたマスティフ軍団を引き連れて各地を転戦していたと言われています。
また、1496年に著された有名な旅行記、マルコポーロの「東方見聞録」にも登場し、「ロバのように高く、ライオンのような声でとても凶暴な犬」と記述されています。
その後、他の飼いやすい外国犬種も入ってくるとチベットでは需要がだんだんと下がっていき、19世紀には完全にその姿を消して、絶滅したかに思われていましたが、イギリスの飼育業者が飼育していた数頭が残っていて、そこから再度繁殖。「ナポレオンに勝利した王」として有名な当時のイギリス国王、ジョージ4世も2頭所有しとても可愛がっていたそうです。

その身体的特徴は?

とにかく巨大な体を持つ犬種でその体高は70cm、体重は80kgに迫るものもいて、さながら猛獣を思わせる立派な体格を誇ります。
首もとの毛に特徴があって、その毛が短い「タイガータイプ」と、まるでたてがみの様に長い毛を持つ、「ライオンタイプ」の2種に大きく分けられます。
毛色は多くが黒、赤、または金と黒のツートンでまれにグレーやホワイトの毛色が出ることもあります。また尻尾の毛は長くふさふさですがいつもクルクルと巻いているため、この犬種のファンの中ではそれを「菊の花」と呼んで、この犬のチャームポイントの1つと捉えて評価の対象としているようです。

その性格は?やっぱり怖い犬?

そのあまりに大きな体格と、軍隊にも率いられた経緯から、とても怖いイメージが付きまといます。
事実「世界最古の犬種」とも言われるこの犬は、もともとかなり凶暴な性格で人の寄り付けるものではありませんでしたが、だんだんと人間と触れ始めるとその凶暴性も落ち着き、チベットで飼われ始めた頃には飼い主に非常に従順で、外敵には確かに果敢に戦いを挑みますが、内部にはいたって温和でおとなしい姿を見せだします。
家庭用にもペットとして飼われている現在では、更に柔らかい性格に品種改良されてきていて、大変頭もよく素直なので、仔犬の頃からしっかりとした環境でしつけを怠らなければ、その聡明さからすばらしい体格ながら抑えの効く、優秀な使役犬に慣れる素質まであります。

チベタンマスティフの現在は

ここまでチベタンマスティフの歴史や、その特徴に触れてきましたが、ここからが本題。
果たして今このチベタンマスティフは、どんな状況に置かれているのでしょうか。
その大人気となった経緯や、現在問題視されていることなどについて触れてまいります。

チベタンマスティフが珍重されたのは中国!

2010年ごろ全盛期を迎えた中国の好景気。その頃中国の富裕層が自らのステータスの象徴として、こぞってこのチベタンマスティフを購入しその値段が上がってきました。
特に上記で紹介した「ライオンタイプ」にその人気が集中し、安くても100万円以上、高いものでは2億円を超えるものまで出現する等、大変な高額犬種となりました。
そのことからこの頃は「生ける不動産」という異名も付き、盗難事件なども多発しました。

無責任な飼い主、放逐された結果の事故とは?

しかし、中国でのチベタンマスティフブームは、約4年足らずと長続きしませんでした。それは、中国の経済状態が急激に悪化した事も影響していますが、何より問題だったのが「無責任な飼育状況」でした。ただただ、名誉のために安直な考えでこの犬種を購入した中国の富裕層の中には、ろくなしつけをしないまま手をかけず、この犬の巨大な体をもてあまし、ついには野に放ってしまうケースが続出。
すると野生に返ったチベタンマスティフが人を襲う事故などが多発して、世界中から批判が集まりました。
結果、2015年ごろには一時は「富の象徴」として億越えもザラだったこの犬種は「お金を払ってもいらない」とまで言われ、迷惑がられる様にまでなってしまいました。
挙句には一部ブリーダーの中には、「毛皮用」として投売りするものまで現れると、深刻な社会問題に発展しました。

そして今、すすむ保護活動と今後

こういったチベタンマスティフの種のピンチに、多くの動物愛護団体が立ち上がり、世界のあらゆるところで保護施設や団体が設立。野に放たれ野生化した仔犬や、あとわずかで毛皮や食用に売られそうだった成犬を保護したりしています。
また、欧米ではきちんと環境の整った場所でブリーディングされ、責任を持って飼育、管理、しつけのできる飼い主に引き渡され、幸せな生活をしている子もたくさんいます。
日本国内では住宅事情などから、今のところ本格的なブリーダーなどは存在していませんが、若干数ですが国内でもペットとして飼育されているようです。
しかし、もし購入を考えるなら確固とした責任感と、きちんと檻や柵を設置した広い敷地等が必要となります。
いずれにせよ、このチベタンマスティフは「モフモフして大きくて可愛い!」なんて軽い考えで、飼い始められる犬種ではないことを、しっかりと認識しておくことが大切で、それがこの貴重な犬種「チベタンマスティフ」という種を守っていく、唯一の方法なのではないでしょうか。

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