1匹と2匹、どちらが猫にとって幸せ?それぞれの特徴と注意点

1匹と2匹、どちらが猫にとって幸せ?それぞれの特徴と注意点

室内飼育で猫を飼う場合、2匹一緒だと大変?1匹だとかわいそう?猫にとってはどちらが幸せなのでしょうか。保護施設スタッフとして多頭飼育をしてきた経験の他、1匹から5匹までの猫と暮らした私が、それぞれの特徴や心構えをまとめました。


猫にとっては1匹と2匹どちらがよいのか

みんなは何頭飼っているのか

日本ペットフード協会の調査によると、平成27年度の全国の猫を飼育している家庭ごとの飼育頭数の平均は1.77頭となっています。

犬は1.24頭なので、猫の方が多頭飼育をしている家庭が多そうです。

東京都福祉保健局が行った平成23年度の東京都の猫の飼育実態調査よると、調査世帯のうち、猫を飼育している世帯での平均飼育頭数は1.81頭と、平成27年度の全国平均と大差ない結果となっています。

そのうち、1頭で飼育している世帯が57.7%、2頭で飼育している世帯は22.9%、残りの21.4%が3頭以上の飼育世帯となっていました。

半数以上の猫は、1頭だけで飼育されているようです。

猫は独立している

1匹で飼うか2匹飼うか、どちらの方が猫にとって幸せなのか、ということで考えると、身も蓋もないですが、それはその猫の親から受け継いだ性質と、育った環境、また迎える環境によります。

猫は単独で過ごすといわれますが、現在の人と共生をしている猫たちに関していえば、十分な食料が手に入るエリアでは、単独で過ごすというよりも生活圏を共有しながらも独立して過ごしているといった表現の方が適当かもしれません。

特にメス猫はグループを形成して共同で子育てをすることもあります。

オスはメスよりも縄張り意識が強くなり、それは去勢していても同じです。

猫好きな猫、猫嫌いな猫がいる

猫の社会化期は2週齢から8週齢といわれますが、その時期にどのように猫と接してきたかどうかが大きく影響するでしょう。

単独でいることを好む猫もいますし、猫が好きな猫もいます。
また、兄弟に限らず特定の相性がよい猫というのが出来ることもあります。

迎える猫が決まっている場合には、その猫がどのような性格であるかによって、1匹で迎えるか相性の合う猫と一緒に迎えるかを選択することもできるでしょう。

あとから2匹目を迎えるのは難しい

現在すでに1匹だけで猫を飼育をしているならば、2匹目を迎えることは先住猫に大きなストレスを与えることになります。

ケンカやマーキングなどの問題行動の他、過剰なグルーミングなどの自傷行為が出たり、膀胱炎になるなど体調を崩してしまうこともあります。

今一緒に暮らしている猫の幸せだけを考えるのであれば、今と同じ状況を継続させることが理想的です。

退屈などによる欲求不満を感じている様子であれば、一緒に暮らす人間が、猫の退屈を解消できるような工夫をしてあげるのが望ましいでしょう。

ただし、他の猫と暮らした経験があったり、子猫のうちに社会性を身につけている場合には、新たに迎えた猫とまるで兄弟のように仲良く暮らせるようになることもあります。

月齢や体格が同じくらいの猫同士で、子猫であれば、しばらくすればお互いによい遊び相手になり、上手くいく可能性は高いです。

単独での生活が長引けば長引くほど難しくなるので、2匹目を迎えるのは、なるべく1匹目を迎えてから期間をあけない方がいいでしょう。

あとから2匹目を迎える際には、仲良くならない場合にも、お互いがストレス少なく過ごせるだけの空間作りをしましょう。

具体的には、ひとりになれる場所、高いところへの逃げ場や、隠れることの出来る箱などが複数あるといいでしょう。

万が一体調を崩すほどのストレスになったり喧嘩が絶えない場合には、お互いが顔を合わせなくてすむように部屋を分ける必要性が出ることもあります。

様々なリスクを想定し、先住の猫、新入りの猫それぞれの幸せを一番に考えて、十分な準備と対策をすることが大切です。

体格差や年齢差があると、片方に負担がかかってしまうことがあるので注意が必要です。

面識がない2匹を会わせる場合には、ワクチン接種や寄生虫やノミの駆除が終了して、猫エイズ、猫白血病ウィルスの検査が終了していることも重要です。

兄弟、姉妹を2匹一緒に迎えるのが理想的

猫を2匹迎えることを考えるのは、1匹だとさびしいかもしれない、遊び相手がいた方がよいのでは、という理由が大多数でしょう。

その場合、相性がよいことがわかっている猫を同時に迎えるのが猫にとっても人にとっても理想的です。

不妊去勢手術が終了した複数の猫が同じ環境にいると、その中でも兄弟、姉妹は一緒にいることが多いです。
小さい頃から一緒だった猫は、その後もよい関係が継続するようです。

小さな頃から一緒に育った猫が急に1匹になると、体調を崩したり食欲が低下することもあります。
一時的な不安からくるものであると考えられますが、その後人間に対して依存が強くなる場合があります。

また、兄弟姉妹ではなくても、相性がよいことがわかっている猫ならば2匹一緒に迎えると猫は嬉しいでしょう。

たとえ仲良しであっても、ひとりになりたい時もあります。
お互いが干渉されずいられるような場所は準備しておくことが大切です。

1匹で迎える際の心構え

人間との関係は強くなる

飼い猫は人間の愛情を間違いなく必要としていることは、猫と暮らす人なら感じているでしょう。

不妊去勢手術された猫は、いつまでも飼い主に対して子猫のような態度をとることが多いですが、特に1匹だと飼い主にべったりと甘えて離れなくなることがあります。

猫とそのように密着した関係を築きたい場合には1匹だけ飼育するのが向いているかもしれませんが、猫が人間に依存しすぎるのは危険な場合もあります。

分離不安症は飼い主への依存度が高い1匹で甘やかされた猫に起きやすい症状です。
飼い主の姿が見えなくなると不安になり、留守番時間がストレスになって問題行動を起こすことがあります。

同様に人間が1匹の猫に依存しすぎると、猫が亡くなったときの精神的な負担が、より大きくなる可能性もあります。

兄弟の役目も人間がする

猫を1匹で迎える場合、通常遊び相手となる兄弟の役目も人間がすることになります。

まだ遊び盛りの子猫の場合、遊び相手をする十分な時間の確保が出来ることはとても重要です。
特に留守番時間が長い場合には、猫は退屈したり運動不足になる可能性が高いです。

もしも遊び相手ができる人間が一人しかいなければ、仲のよい2匹を一緒に迎えると、猫は退屈しないですみますし、人の負担もかなり軽減されます。

また、子猫のうちからひとりで、兄弟と戯れあった経験が無い場合は、噛まれた時の痛みを知らずに育つために加減が上手くできずに噛み癖がつく場合があります。

人間が多いと、1匹の猫に負担がかかることも

家族の人数が多い時、特に小さな子どもがいる場合は、みんなが1匹の猫に干渉したがると猫にとってストレスを与えかねません。

猫が複数でも1匹でも干渉しすぎないことは大切ですが、猫が複数いる方が人と猫の距離感が程よく保てる場合もあるでしょう。

2匹以上で迎える際の心構え

頭数が増えるほど健康管理は難しくなる

健康管理の面からだと、頭数がいればいるほど難しくなります。

吐き跡や排泄物の異常があった場合にも1匹しかいなければすぐに特定できますが、2匹以上いると、誰のものなのかがすぐに特定できず、対応が遅れる危険があります。

また、食欲や食べる速度に差がある場合、好みのフードの種類が違う場合、片方の猫だけが療法食になった場合など、食事の管理も2匹以上いると難しくなります。

食事の時に、ずっとくっついて観察をするか、部屋を分ける必要が出ますが、猫は1日に何回にも分けて食事をすることがあります。
日中猫と一緒にいられない場合は、特に管理が難しくなるでしょう。

広さ、トイレの数の問題

飼育環境の広さは、相性がよい猫であれば2匹いるからといって広さを倍にする必要はありません。
上下運動が出来て、隠れ家をいくつか用意してあげるとよいでしょう。

トイレの数は頭数分プラス1つが理想的ですので、設置出来るスペースが必要なります。

2匹いれば費用は倍になる

当然ですが、頭数いればその頭数分の飼育費用や医療費がかかります。
経済的なこともしっかりと考えた上で2匹以上を飼育できるか考える必要があります。

家の被害や騒音は頭数分プラスαを覚悟

壁紙や家具などの被害は、やはり頭数が増えれば被害も増えます。

また、お互いに追いかけっこなどをして走り回るとその騒音はかなりのものになりますので、集合住宅で暮らす場合は、1匹で飼う時よりも近隣への配慮が必要になるかもしれません。

2匹以上いても人間とは仲良しになる

2匹いると人間にはあまり懐いてくれないのでは、と心配される方もいますが、猫は何頭いても人間は別腹です。

1匹だけよりも、それぞれの密着度は減るかもしれませんが、多頭飼育で全員にべったりされると身が持たないのでちょうどよいでしょう。

また、2匹いるとどちらかだけを可愛がってしまうのではという心配をされる方もいますが、私自身や私の周りの人に聞く限りでは、どの猫もそれぞれ個性的なので、それぞれみんな愛おしくなります。

まとめ

猫を迎える環境、人間の関わり方、そして迎える猫の性格がどちらに向いているかが、1匹がよいか、2匹がよいかの判断材料になるでしょう。

どちらの場合にも、それぞれよいところも大変なところがありますが、このまとめが猫と幸せに暮らすためのヒントになれば幸いです。

尚、ご自宅が賃貸の場合は、ペット可であっても飼育できる頭数に制限がある場合がほとんどですので、事前に確認が必要です。

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