室内飼育の猫を幸せにしておくための13ヵ条

室内飼育の猫を幸せにしておくための13ヵ条

猫好きの人は猫がいるだけで幸せですが、非常に残念なことに、猫は人がいるだけでは幸せではありません。愛猫の幸福のためには、一緒に暮らす人間がやっておくべきことがあります。猫を幸せにするための13の項目を、動物保護施設元職員がまとめました。


猫を室内で飼育するメリット

室内飼育の方が幸せなの?

そもそも猫を室内のみで飼育しておいたほうがいいのか、という話ですが、現状の日本では、保護施設元職員という立場(猫全体を考えた立場)からも、一人の猫飼いという立場(うちの猫の幸せを考えた立場)からも、室内飼育を推奨します。

外飼いすることによるデメリットが多いからになります。

もちろん室内ならなんでもいい訳では無く、猫が快適に過ごせるように、室内の環境を整える必要があります。

外飼いのデメリットとは

外に出る猫には下記にあげる様なたくさんの危険やデメリットがあります。

・交通事故
・縄張り争いによるストレス
・他の猫との喧嘩による怪我
・他の猫との接触による病気の感染
・寄生虫の感染
・不妊去勢手術が遅れた場合、他の猫との交尾による繁殖(過剰な繁殖が、殺処分される不幸な命を増やすことに繋がる)
・人間による虐待
・他人の土地での排泄によるトラブル
・他人の家でご飯を貰ってしまうことで食べ過ぎや健康管理が不十分になる恐れ
・外で排泄することで健康管理が不十分になる

アニマルウェルフェアと環境エンリッチメントについて

「環境エンリッチメント」とは、元々動物園関係者を対象として考えられた言葉ですが、ペットとして室内で飼育される動物にも適用できます。

"動物福祉(アニマルウェルフェア)"の立場から、飼育動物の"幸福な暮らし"を実現するための具体的な工夫のことです。

アニマルウェルフェアとは家畜や、実験動物などを含む人間のために使われる使役動物にも使われる言葉ですが、その際に”動物が被る痛みや苦しみは最小限に抑えなければならない”という考え方になります。

古代より人間の近くで暮らし始めたイエネコの一番幸せな形が何か、また自然な姿というのを定義するのは難しいですが、猫は室内で暮らしながらも、本来の野生を持ち続けている生き物になります。

猫の狩猟動物としての野生の本能や欲求を満たし、ストレスの少ない生活ができる環境作りをすることが、”猫の幸せな暮らし”を実現するために、一緒に暮らす人間に出来ることではないかと思います。

室内飼育の猫を幸せにするための13ヵ条

1.歩き回れるスペースをできるだけ作る

屋外で暮らす猫は、食料確保と繁殖のために、その範囲にいる猫の頭数や食料の豊富さによって生活範囲が決まります。

十分な食料が保証され、不妊去勢手術を受けた飼い猫は、室内だけで暮らすことが可能です。

日本の住宅事情では、猫にとって家が広すぎるということはほとんどないかと思いますので、出来るだけ室内を自由にして歩き回れる場所を作ってあげましょう。

家の中で、猫は自分で一番居心地のよい場所を探します。
昼ならば日光のあたる場所、夜はお気に入りの人間の膝の上などです。

室温管理のためにドアを閉めておきたい時は、猫ドアをつけるといいですね。
また、直線で走れる廊下のようなところがあるといいでしょう。

更に猫を複数頭飼育する場合には、各猫がひとりになれる場所が必要です。

猫だけが自由に出入りできる猫用の扉は、既存のドアに後からつけることができます。

また、首輪に付けた磁石の反応で、特定の猫だけが通れる様にできる猫ドアもあります。
多頭飼育での住み分けが必要な時に使えます。

2.登れる高い場所を作る

猫は高いところが好きですよね。
キャットタワーやキャットウォークなど、猫が登れる場所は必ず設置しましょう。
猫は、上から全体を見回せると安心します。

更に、高いところに猫がくつろげるようにハンモックやも毛布、隠れられる箱などを設置してあげるといいです。
駆け登ったり、上で休んだり、猫はとても有効に使ってくれます。

家具を利用してキャットタワーの代わりにすることもできます。
段差をつけて、猫が登れるようにしてあげましょう。

キューブボックスを利用すると、収納しながらキャットタワーにもなりますね。

3.低くて隠れられる場所が必要

猫は狭い場所が大好きです。
外から見えない、身を隠せる場所は安心します。
キャットハウス、猫ちぐらなど、猫が安心できる寝床を用意しましょう。

ただ、せっかく高価なものを買っても使ってくれないこともあります。
そんな時は、段ボールにフリースの毛布を入れただけでも猫は満足です。
環境の変化が苦手という割には、段ボール箱は新しいものが気にいるようです。
大きさは、ちょっと小さいんじゃないの?と思うくらいのものがジャストフィットで気にいる猫が多いです。

通気性のよい猫ちぐらは、夏は涼しく、冬は毛布などを入れると暖かく過ごせますね。

ハウスにもなる爪みがき。
爪研ぎが猫ハウスになっているものは結構いろいろな種類があります。
自宅にある段ボール箱でも作れますね。

段ボール箱を重ねて猫マンションにした力作。
中に入れて、登ることもできて猫が好きそうですね。

4.室温調整は重要

猫がいるからといって一年中同じ室温にする必要はありません。
夏は夏、冬は冬と季節の移り変わりがあることで、猫も夏毛、冬毛と被毛を調整します。

ただし、日本の夏は湿度が高いために、高温では熱中症を起こす危険があります。
また、有名ですが、寒さは苦手です。
エアコンなどを使用して、室温の調整をすることは大切です。

全体の室温は、一年を通して15度から28度の間にはしておきたいです。湿度は50〜60%くらいになるようにするとよいでしょう。
その上で、気温によって猫が暖まれる場所や涼める場所を用意してあげましょう。
30度以上になると熱中症の危険があります。

一日の中で寒すぎる時間帯、暑すぎる時間帯があったりすると、猫は体調を崩しやすくなります。
高齢や幼齢、病気の猫の場合は25度前後で常に快適にしてあげるのがいいでしょう。

5.トイレは清潔に

猫は特別トイレのしつけが必要ではありませんが、猫が気にいる清潔なトイレを用意してあげる必要はあります。

猫はとても綺麗好きで、トイレが汚れていたり匂いが残っていると、そのトイレを使用しないこともありますので、こまめに掃除をして、月に一度くらいは丸洗いをするのが望ましいです。
使っていても、ストレスを感じているかもしれません。

数は頭数+1つが理想的です。
多頭飼育の場合、他の猫の匂いが付いていると嫌がることがあります。
日中の掃除係不在などでこまめな掃除ができない場合には、トイレの数を増やしてあげましょう。

置き場所は、食餌をする場所とは離し、寒すぎたり、寝床から遠すぎる場所は避けましょう。

猫がトイレ以外で排泄をするときには、トイレの場所や形態、砂の種類が気に入らない可能性もあります。
猫がストレス無く排泄ができるようにすることは、猫の健康のためにも大変重要です。

6.外の風景、音、匂いが感じられるところが好き

上述したように外飼いは危険ですが、猫は外の空気を感じたり、鳥や虫などがいる外の風景を見るのが好きです。
日光浴も大好きですよね。

外の空気を感じられる場所を用意してあげると喜びます。

注意したいのは、一戸建てなどで外に猫がくる場合には、猫の性格によっては外を見ることが却ってストレスになることもあります。
その場合は、外から見えないようにしてあげる方が安心します。

■ベランダや庭に十分に脱走防止の対策をした遊び場を作る

猫はかなりの高さまでよじ登ることができますし、ジャンプしますので、万一の脱走や落下事故を防ぐために、ベランダなどに出す場合には、天井まで柵や網で囲うことが重要です。
網は、柔らかすぎると破けることがあります。
また、少しの隙間も抜け出てしまうことがありますので、柵などの間隔には十分注意しましょう。

自由な出入りはできませんが、ベランダに高さのあるケージを置いて、その中で日光浴させている方もいます。

■サンルーム

猫と暮らしていると、サンルームには憧れますよね。
キャットタワーを置いてあげると、より理想的ですね。

■出窓は好き

高層などで窓を開けることができない場合は、窓際に猫がくつろげる柔らかいクッションなどを置いてあげるといいですね。

7.爪研ぎを十分に

猫の爪は何重にもなっていて、猫は爪研ぎをすることで外側の古い層を剥がします。
またもう一つ、爪研ぎにはマーキングの意味もあります。
爪研ぎはストレス発散にもなるようです。

外で暮らす猫は、木の幹などで爪研ぎを行います。
室内で暮らす猫には、猫が気にいる、段ボールや麻製などの爪研ぎを複数用意してあげましょう。
そうすることによって、家の壁紙や家具の被害も最小限に防ぐことも出来て、人間のストレス回避にもなります。

8.たくさん遊ぶ

猫の狩猟本能を満たし、ストレスを溜めないために、たくさん遊んであげましょう。
猫用のおもちゃはいろいろな種類がありますが、紐の先におもちゃがついているタイプを人間が振ってあげるのが一番食いつきます。
ひとりで遊ぶおもちゃだと、どうしても飽きてしまうのが早いです。

猫とのコミュニケーションや肥満防止ののためにも、一日短時間でも一緒に遊ぶ時間があるといいですね。

釣竿タイプが人気。

9.ご飯の上げ方にひと工夫

安全な室内での生活にも、少しは刺激が必要です。
ご飯をあげる際に、パズルフィーダーを使ったりすると猫にとってよい刺激となるでしょう。
パズルフィーダーとは、ご飯を食べるためには猫が遊んだり知恵を絞る必要がでる仕掛けのある給餌機のことで、手作りも出来ます。

10.スキンシップは足りてる?

人と暮らす猫は、独立しているとはいえ、同居する人間を母猫のように思っているところもあるようです。
猫が愛情を求めてきたら、撫でたり、膝に乗せて猫を満足させてあげましょう。

またスキンシップをとることで、猫の被毛の状態などを把握し、異変があった時に気がつけるようにすることも大切です。

11.猫草や、たまにはマタタビも

肉食である猫にとっての猫草はどのような意味を持つのか、はっきりとしたことはわかっていません。
毛玉を吐くのを助ける効果があるといわれることが多いですが、単なる嗜好品という意見もあります。

猫草は必ずなければならないものではありませんが、猫草を好む猫は多いので、好きであれば置いておいてあげると猫は喜ぶでしょう。

また、マタタビも猫によって反応は様々ですが、好む場合には、おもちゃに少し粉を振りかけるなど、適度に与えるとストレス解消になるでしょう。
小さな子猫には与えないようにしましょう。

12.猫の苦手な音や匂いに注意

猫は大きな音や突発的に出るが苦手です。室内で大きな音が断続的に出ているとストレスになりますので、なるべく静かな環境が猫には好ましいです。

猫に話しかけるときは小さな声で、また高めの声を好みます。

猫が柑橘類の匂いが苦手なのは有名ですね。
アロマや柔軟剤、香水、芳香剤などの匂いも猫は苦手な上に、猫にとって有毒なこともありますので、使用を控えましょう。
アロマに使う精油で中毒症状を起こし、死亡した例もあるそうです。

13.兄弟がいるとよい

猫は単独で暮らすといわれますが、実際には、屋外で暮らす猫も母と娘ファミリーなど、ある程度のグループで過ごしていることが多くあります。

特に不妊去勢をして食料も十分にある室内の環境では、兄弟、姉妹などは、成長してもくっついて一緒に行動します。

家の中で猫だけになる時間が長い場合などは、仲の良い2頭や3頭を一緒に飼育するのもいいでしょう。

現在ひとり暮らしを満喫している猫の場合には、見も知らぬ新入りを迎えることは猫にストレスになることがありますので、慎重に考えましょう。

まとめ

猫がいる幸せは、愛猫が幸せであってこそですよね。
そのためには、猫の野生、本能について理解する努力をして、安全に快適に過ごせるようにしてあげたいですね。
猫が幸せに暮らすには、一緒に暮らす人が幸せであることも大切だと思います。
お互いに幸せであることが、一番理想的な姿ではないでしょうか。

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