体の異常を察知!トリマーがチェックするヘルスケアのポイント

体の異常を察知!トリマーがチェックするヘルスケアのポイント

トリマーはシャンプーやカットをするだけではありません。犬の体におこる異常を早めに発見し、病気を防ぐという重要な役割も担っています。そこで今回は、トリマーが普段チェックしているヘルスケアのポイントをご紹介したいと思います。


トリマーの仕事はカットだけではありません

トリマーは、シャンプーやカットをするだけではありません。犬の体におこる異常をいかに早く見つけるかというのも大事な仕事なのです。

とは言ってもトリミングサロンへ連れて行く間隔は人それぞれ。
その間に症状が進行しないとも限りません。

というわけで今回は、普段トリマーがチェックしているヘルスケアのポイントをお教えしたいと思います。サロンの合間の自宅お手入れのときにチェックしてみてくださいね。

犬の体型をチェック

痩せすぎ

たまに、犬種の一般的なサイズにこだわってしまい、これ以上体重を増やさないようにとご飯を控える飼い主さんがいらっしゃいます。でも、犬にはそれぞれ生まれ持った骨格があるので、体重だけでは判断できません。あくまでその犬にあった体重をキープすることが大切です。

太りすぎ

太りすぎの犬は多いです。その背景に、フードやおやつの与えすぎがあります。また、人間の食べ物を好きなだけ与えることで太ってしまうこともあります。同時に歯石もつきやすくなり、歯の病気を抱えている犬もたくさんいます。

正常な体形の見分け方

犬の適正体重を見分ける方法として、ボディコンディションスコア(BCS)があります。犬の理想的な体形は、BSC3。腰に適度なくびれがあり、肋骨が触れる程度とされています。愛犬がどれに当てはまるのか確認してみましょう。

肥満になると…

・関節への負担

体重が重いということは、その体重を支える骨や関節に負担がかかるということです。ちょっと滑っただけで関節を痛めてしまうかもしれません。

中でも怖いのが椎間板ヘルニアという病気です。重症化すると歩けなくなる可能性もあります。とくに老犬は注意が必要です。

・呼吸器の圧迫

脂肪が増えることで、呼吸器が圧迫されて息がしづらくなります。少し動いただけで「ゼーゼー」と苦しそうにあえぎます。

・だっこしづらい

肥満になると犬は歩きたがりません。抱っこをせがむようになるので飼い主さんも大変です。

皮膚におこる異常

トリミングでは皮膚の状態も確認します。皮膚の異常を早めに見つけることで、病気を早く治すことにもつながります。

傷やケガ

皮膚に傷がないか確認します。散歩で足の裏が切れていたり、同居犬とのケンカで耳を咬まれたりしていることがあります。少しの傷なら問題ありませんが、あまりにも深い傷の場合はトリミングを中止することもあります。

赤みやベタベタ

皮膚に赤みはないか、湿疹やフケは出ていないか、ベタベタしている部分はないかを確認します。

よくある皮膚病

・膿皮症

黄色ブドウ球菌など細菌の繁殖でおこる皮膚炎です。皮膚バリア機能の低下などで発症します。初期には赤みや発疹が、進行してくるとかさぶたや脱毛が見られます。他の皮膚病と併発することもあります。

・マラセチア皮膚炎

真菌(カビ)の一種であるマラセチアが原因でおこる皮膚炎です。マラセチアは健康な犬の皮膚にも存在している常在菌です。免疫力の低下などがきっかけで大量に繁殖し、赤みやフケが出て、皮膚がべたつくようになります。

毛が抜けている部分

犬の毛が不自然に抜けている部分はないか、かゆがっていないかなどを確認します。また、脱毛部分の皮膚の色や形にも注目します。

よくある脱毛症

・アカラス症

ニキビダニという寄生虫による脱毛症です。免疫力の低下などをきっかけに発症し、目や口、前足部分に脱毛が多く見られます。進行すると、皮膚が赤くただれて痛みやかゆみを生じます。

・クッシング症候群

副腎皮質ホルモンが過剰に分泌されることで発症します。老犬に多い病気です。お腹が膨らんでパサパサしたような毛質に変化し、胴体部分の毛が左右対称に抜け落ちます。ただし、かゆがることはありません。

皮膚にできる腫瘍

腫瘍とは、簡単に言うと「できもの」のことです。腫瘍と聞くとガンを連想してしまいますが、必ずしも悪いものとは限りません。

ただ、腫瘍が良性なのか悪性なのかは病院で検査をしないと分かりません。トリマーが腫瘍を発見した場合、まずは飼い主さんにお伝えし、病院での診察を勧めています。

乳頭腫

犬の皮膚の表面にできる乳頭のような腫瘍です。ピンク色でカリフラワーのような形をしています。ほとんどが良性で、自然に取れてなくなるものが多いです。大きく成長するものは病院で切除手術を行う場合もあります。

脂肪腫

円形でプニプニした脂肪の塊です。老犬に多く見られます。基本的に良性であることが多いのですが、大きくなることもあるので、見つけ次第、飼い主さんには病院で診察を受けてもらうようにお伝えしています。

乳腺腫

主にメス犬の乳腺にできるしこりです。良性なのか悪性なのかは病院で検査をしないと分かりませんが、どちらにせよ切除することが多いようです。見つけ次第、早めに診察を受けたほうがいいでしょう。

悪性黒色腫

メラノーマと呼ばれる悪性腫瘍です。ホクロの境界線がぼやけて盛り上がったような形をしていて、口の中や足の裏にできやすいことが特徴です。進行スピードが早いので、早期発見・早期治療が原則となります。

寄生虫はいないか

春や秋はノミダニが活発になる季節です。ノミやダニは草むらなど自然の中にいて、犬の吐く息や体温を感じ取り、素早く体に乗り移ります。

普段は家の中で過ごす犬も、少し散歩に出ただけで寄生されてしまう可能性があります。ノミやダニを駆除する薬を必ず使いましょう。

ノミ

直径1~3mm程度の小さな褐色の寄生虫です。驚異のジャンプ力であっという間に飛びつきます。激しいかゆみを引き起こし、犬はひっきりなしに体を掻くようになります。

つぶさないように注意しながら1匹1匹丁寧に取り除き、水の中に沈めます。ただ、素早く動き回り、他の動物にもうつるので、大量に寄生されている場合はトリミングを中止することもあります。

ダニ

直径3mm程度のクモのような形をした寄生虫です。犬の血を吸って大きく膨らみます。そのため、トリミング中でも見つけやすく、比較的取りやすいです。

ピンセットなどを使ってダニの頭をやさしく挟み、ゆっくり引き上げると簡単に取れます。

ただ、中には皮膚にもぐりこんでいるダニもいて、無理に取るとダニの口だけ残ったり、犬の体を傷つけたりしてしまいます。その場合は動物病院で取ってもらうように対応します。

ノミやダニに寄生されると…

・ノミアレルギー性皮膚炎

ノミの唾液によるアレルギー症状です。皮膚に赤い湿疹が出て、激しいかゆみがおこります。二度目の感染で症状が悪化することが多いです。

・バべシア症

マダニが運び屋となっておこる感染症です。バべシアという原虫が犬の体内に入り、赤血球に寄生することで、発熱、貧血などの症状を引き起こします。治療が遅れると手遅れになることもあります。

体の異常は早めに見つけよう

犬の体におこる異常を早めに見つけることはとても大事です。症状が軽いうちに発見できれば、治療にかかる期間も短くなり、犬の負担も軽くなるでしょう。

自宅シャンプーやブラッシングのときに、ぜひチェックしてみてくださいね。

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